2025年12月10日 松本俊彦さん講演会
- soudantombo
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2025年12月10日 静岡県男女共同参画センターあざれあ6階大ホールにて、「市販薬オーバードーズの理解と援助~私たち大人ができること~」というタイトルで国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部 部長 同センター病院 薬物依存センター長 松本俊彦さんの講演会が行われました。(主催:静岡県精神保健福祉協会)
最近の薬物依存患者はかつてのような中高年の覚せい剤や大麻患者をしのいで、10代の若者の市販薬の乱用・オーバードーズが多い、という現状を話されました。
諸外国では市販禁止されているものが日本では市販薬として簡単に購入できる現状についての指摘がありました。
1人1点のみ購入としても、ドラッグストアがいっぱいあるので、簡単に手に入ってしまうこと、さらには2025年5月、コンビニでも市販薬が販売される法案が可決されたことも指摘されました。
最近の調査では、10代の若者の特徴として、「つらい気持ちから解放されたい」点ではリストカットとODは共通で約7割だが、「死にたい」気持ちはリストカットよりODが有意で高いこと、10代自殺者数と相関が高いのが市販薬のODで、ODは短期的には今を生き延びるための保護因子でもあるが、長期的には自殺につながる危険因子でもある、という指摘がありました。
10代の若者は、「助けて」と声をあげることができていないこと、さらには、周囲に信頼できて相談できる人がいないことも話されました。
頭からODがだめ、などといわれると相談もできないのは当然で、大切なことは、雑談できる人が周囲にいること、これが重要であるとのお話でした。
友達のSOSの気づき方が大切であること、として「世界一やさしい依存症入門」「オーバードーズする子どもたち なぜ「助けて」が言えないか?」という本も出されています。
悉皆調査の分析から導きだされたご指摘でとても参考になりました。

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