2024年11月23日 令和6年度静岡高次脳機能障害リハビリテーション講習会が行われました。
講演1.「静岡県の高次脳機能障害者支援 現状と課題」
講師:片桐 伯真さん(聖隷三方原病院リハビリテーション科・静岡高次脳機能障害リハビリテーション講習会実行委員長)
講演2.「当事者からのメッセージ~社会との接点を求めて~」
講師:北島 麻衣子さん(かけはしプロジェクト代表)
北島さんは脳動静脈奇形から脳出血し高次脳機能障害、「右同名半盲」になったことを話されました。
高次脳機能障害の具体的な表れは、お一人おひとりが違う、とのことですが、ご自身の現れとして、
① 記憶障害:新しいことがなかなか覚えられない。人の顔と名前が一致しない。メモをしてもメモの置き場を忘れてしまう➡手帳を一つにしてメモをすぐに書き移す、ホワイトボードに記入して家族にも周知する。
② 注意障害:同時に複数のことができない、音や声がすると集中できない、たくさんの商品の中から自分がほしいものが選べなくなった➡いつも同じスーパーで買い物する
③ 社会的行動障害:すぐにイライラする、がまんできない➡
④ 遂行機能障害:料理の手順がわからなくなる➡紙に書いてルーティン化させる。繰り返し行って体にしみこませる。
⑤ 半側空間無視:わたしは「右同名半盲」なので、この点はよくわからないとのことです。
⑥ 地誌的障害:迷子になりやすい。駅の構内などがわからない➡ひとりでわからないところにいかない、スマホで写真をとっておく。
⑦ 失語:うまくしゃべれない。頭で思っていることと違う言葉がでてきてしまう。しゃべることがおっくうになってしまう。長文が理解できない➡ジェスチャーやメモを活用した。
⑧ 失行:ハサミの使い方がわからない。これは繰り返し練習するしかない。
⑨ 失認:たとえば左右がわからない。 など
実際には退院してからがスタート。職場復帰も、上司だけでなく、いっしょに働く人全員が理解してもらいたい。そうでないとうまくいかない。
今の職場では200人ぐらいを前に、高次脳機能障害の説明をして理解してもらう取り組みを行った。なんでもやってもらうのではなく、見守ってもらい、自分も成長できるようにしたい、と話されました。
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